S-Collection株式会社 WEBチケについて

S-Collection株式会社の電子チケットサービス「WEBチケ」事業

S-Collection株式会社も注目!チケット2次流通市場の「いま」と東京オリンピックにむけた「これから」(1)

あの人気サイトがサービス終了!?市場の7割を占める「チケットキャンプ」がなぜ

近年、チケット売買サイトやオークションが頻繁に利用されるようになっています。チケットを購入したいとき、またチケットを購入したものの行けなくなり売却したいときに役立つのがチケット売買サイトやオークションです。出品者と購入希望者のニーズがマッチングすると簡単にチケットの売買ができるため、利用者が急増しています。

そのような状況下、株式会社フンザが運営するチケット売買サイト「チケットキャンプ(以下、チケキャン)」が、2018年5月末にサービスを終了するとの発表がありました。株式会社フンザは、IT業界大手の株式会社ミクシィの100%子会社であり、「チケキャン」はチケット2次流通市場に大きなシェアもあるため、この発表は業界に大きな波紋を与えました。

今回は、「チケキャン」の人気の理由とサービス終了の原因、そこからみた売買サイトの課題と今後の展望を考えていきます。

大人気の理由はここにあった!「チケキャン」サービスの3つの特徴!

チケット2次流通市場の7割を占めるともいわれる、チケット売買ネットサービス「チケキャン」。まずは人気の理由を探ってみます。

1.購入者はすべての取引で手数料無料!
定価以下のチケットは、手数料無料で購入することができます。また、「リクエスト機能」で自分が欲しいチケットのリクエストが可能な点も、人気の理由となっています。

 
2.「エスクロー機能」で安心してチケット購入が可能に!
エスクロー機能」とは、出品者に代わって購入希望者から代金を預っても購入希望者がチケットを受け取るまでは、出品者に代金を渡さない機能です。この機能によって購入希望者が安心してチケットを購入できるため、利用者が急増しました。

3.低い手数料で、出品者は転売の利ざやを得られる!
チケキャン」は他のサイトと比べて手数料が低く、出品者が出品しやすい仕組みになっています。

 

以下が手数料の内容です。(2017年3月1日時点)

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以上のように、多くのメリットがある大人気チケット売買サイトが、なぜサービスを終了するのでしょうか。その原因と背景をまとめました。

 

チケキャン」サービス終了の原因と背景

Ⅰ.法令違反および大量、高額転売に加担の疑い

チケキャン」サービス終了の原因のひとつは、チケット情報特集サイトで「ジャニーズ通信」「宝塚歌劇倶楽部」など商標登録されている名称を許可なく使って集客し、売買していたことです。この行為が商標権を侵害し、不正競争防止法違反にあたるとみられました。

また「チケキャン」では、出品数が多い利用者に対して手数料の割引や無料化を行っていました。この大量出品を促すサービスによって、チケットを大量購入して転売する「転売屋」を増やすことにつながったと指摘されています。

さらに「チケキャン」のサービスは、営利目的のチケット転売業者に利用され、チケットが大幅な高値で売買されていたことも問題として挙げられていました。

 

Ⅱ.音楽業界などの高額転売反対の声も背景に

音楽業界を中心とした興行主側は、高額転売反対運動を展開しています。2016年8月には音楽関係の4団体が高額転売に反対する意見広告を新聞に掲載し、世間の認知度が一気に上がりました。

転売目的でチケットを購入する業者に詐欺罪などの刑事罰が課される事例が出るようになり、「チケキャン」も捜査当局の照会を行う件数が増えていました。株式会社ミクシィは興行主と協調して問題対処を行う姿勢を見せていましたが、実際は具体的な対策がとられませんでした。

そのため、株式会社フンザ単独で本人確認や規制の強化をしました。しかし意見広告から1年以上が経過していたため、解決の遅れがサービス終了の一因ともいわれています。